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ひねくれ者の自由帳

ドラマ「好きなオトコと別れたい」3話感想

この回を見て、このドラマ面白い!と思ったので、感想を書くことにした。この回だけで綺麗にまとまっていて、見ていて良いなと思える所が複数あった。

感想の前に軽く、概要について説明。

漫画原作。堀田茜演じる主人公が郁子が、毎熊克哉演じるダメ男の浩次と別れたくても、浩次の魅力に惹かれ抜け出せないでいる…というラブストーリー。

この回は郁子のヒモである浩次の人としての魅力、そしてそんな浩次となぜ郁子が付き合っているのかが、一話を通して描かれている。浩次の魅力とは、誰とも仲良くなることができる子供のような大人であるという所だ。序盤のハローハークの場面。この場面において、重要なのは、ハローワーク職員の梅金がキレタ後の浩次の対応だ。浩次はラーメンのシミをきっかけに梅金と仲良くなる。ハローワークの職員だろうが誰だろうが簡単に仲良くなれる浩次の魅力が描かれているのだ。そしてこのラーメンのシミは、デートのシーンでもう一度出てくる。せっかく買ったばかりのスーツに浩次がラーメンの汁を飛ばしてしまい郁子に怒られてしまうという場面。なぜラーメンの汁のくだりを二回持ってきたのか。恐らくだが浩次がラーメンの汁を飛ばして郁子に怒られるのはよくあることなのだろう。そして、このように何回も郁子に注意されたことがある浩次だからこそ、梅金のスーツのラーメンのシミに気付けたということなのだろう。考えすぎかもしれないが…

紺野彩花演じる主人公の後輩のナナのシーンのところが生々しかった。ナナの彼氏は売れないバンドマンで恐らく公園でろくにご飯も食べずに一日を過ごしているのに対して、彼女は会社の上司と高級ランチ。旦那の昼飯は安く済ませているのに自分だけママ友と高級ランチに行くみたいな女性の悪い所が出ているように思えてしまった。本当にナナは彼氏と顔で付き合っているんだなと感じた。後、浩次たちが妙に大人じみている子供たちと話すシーンを見ていると、最近の子供は、大人に対する漠然とした憧れみたいなものを持っていないんじゃないのかと考えてしまった。

閑話休題。このドラマに登場するキャラクターは全員が完璧では無い。口では浩次に対しての不満を言うが、心では浩次のことが好きで別れる気配のない郁子。働く働くと口では言いながらも一向に働く気配のない浩次。もうすぐ30になるのにヒモと付き合っていても、最終的にはエリートと結婚できるということ郁子で証明することで、自分はまだ大丈夫だと安心したいナナ。それぞれがそれぞれに駄目なところがある。そこがこのドラマの良いところなのである。完璧な人間などいないし、人間ってそんなもんだよなとこのドラマを見ると思わせてくれる。(最近だと、完璧な人間などいないことを大谷翔平が証明してくれた。)

 

最後に自分が一番好きだったところ。バーで三四郎の相田が浩次のことを褒めるシーン。基本的に浩次は、働きもせずヒモをしているダメなやつだが、そんな浩次を「お金を稼ぐのが下手な人」と表現しているのが個人的には凄く好きだった。働いている人たちは働いていない人たちを見て、「社会のはみ出しモノ」「甘えている」などのレッテルを貼り、全否定するだろう。しかし、この作品はそんなことをしていない。駄目な所もあれば、良い所もある。そういう表現をしてくれるこの作品が面白いと思ったし、好きだと思った。